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ウジイユタカ

ユタカの部屋 vol.39  富塚健氏

ウジイ: では、略歴から教えてください。お願いします。

トミヅカ:わかりました。山形県山形市生まれ。山形市立南沼原小学校から第十中学校に進みました。小学校からずっと空手やってたんですよ。その関係で、東海山形高校の空手部に入学させてもらって3年間空手をやり国体とかインターハイとかにも出場させていただいて、2年生のときは団体戦のメンバーだったので、全国選抜で3位に入らせてもらって、そのまま大学は東海大学に行った形です。

元々音楽好きだったので、エイベックスに入社して、そこで11年やって山形にUターンして戻ってきたっていう形ですね。

ウジイ:戻ってきたのは会社を設立するためですか?

トミヅカ:そういうつもり一切なくて、なんか適当に広告代理店とかで勤めて働ければいいかななんて思ってました。でもなんか前の会社エイベックスにいたときに、山形の求人広告を見たんですね。そのときに18から35までっていう年齢制限があったんですよ。そのとき34だったんですけど、ちょっとやばいなと思って、40とか50になって帰ったらポジションあるのかなとかって思ったんですけど。

これってこの業種ってかなり特殊で、音楽なんてやってる会社山形どこにもないですし、だったら今帰った方がいいなと思って。35歳のタイミングですぐ帰ってきたんですけど、でもそんときは本当に何しようとかっていうのは、今までの経験を生かして何か山形でできたらな、みたいなことしかなかったですね。

ウジイ:元々山形に帰って何かやろうとは学生の頃思ってましたか?

トミヅカ:全く思わなかったです。もう山形には帰ってこないつもりでしたね。とはいえやっぱり実家に親父とお袋いるので、一人っ子なのでちょっと気にはなっていて、家もあるのでどうしようかななんていうのは思ってたんですけど、それがきっかけでもう帰ろうと決めました。

ウジイ:では、エイベックスにいた11年間でどんな仕事をされてたかっていうのを教えてください。

トミヅカ:まず入社して一番最初に入ったところが知的財産戦略室っていうところで、要は権利関係、エイベックスにある例えばTRFのBOY MEETS GIRLって楽曲があるんですけど、その楽曲の著作権を扱ったりその原盤の権利を扱ったりして、2次利用3次利用を運用をしていくっていう部門に入ったんです。ちょっとお堅いところだったんですけど、でもそこの中でも僕らのチームっていうのは会社が持ってる著作権を使って他の会社に営業しに行って、その楽曲を使ってコンピレーションアルバム、いろんなアーティストのいろんなタイトルの楽曲がCDに入ってるものに使ってもらったりだとか、あとは、ゆくゆくそっちの部署にも行くんですけど、著作権の部門でカバーしてもらったりだとか、あと他のレコード会社から権利を委託してもらって、雑誌とかラジオとかテレビ局とかに売り込むんです。

その後にエイベックスの中で著作権部門だけ独立するんですよ。そこの立ち上げメンバーに選んでいただいて、そこでは作詞家作曲家さんを見つけてきて、楽曲を制作するっていうところから、できたものを運用する、カバーですね。例えば、TRFの「寒い夜だから」っていう曲を徳永英明さんや清水翔太さんに歌ってもらったりだとか、あとカラオケで試作を作ったりとか、あとはテレビ局に売り込んでドラマだったり、バラエティー番組で使ってもらう仕事があったり、あとはゲーム機やゲームソフト使ってもらうこと、パチンコパチスロの中で当たったときに流れるように提案するとか、本当に楽曲の営業を約10年ぐらいやってましたよ。

その後エイベックスの中でも、その当時和楽器バンドと、当時アイドル全盛期だったのでうちでもスーパーガールっていう女の子たちや、山形出身の庄司芽生ちゃんがいる東京女子流とかのアイドル部門っていうところと、EDM部門って言ってダンスミュージックのウルトラミュージックフェスティバルってあるんですけど、それをやる3部門にお金をかけて売り出していこうっていうプロジェクトが始まったんですね。そこのEDM部門に選ばれてそこに入って、EDMの制作をしてCDを作ったりということを1年か2年やってましたね。それがエイベックスでの11年でした。

ウジイ:次に山形に戻ってきて感じたこととか、そして今、Highclod(ハイクラウド)というと音楽事務所を立ち上げましたが、その間のことについて教えてください。

トミヅカ:山形に帰ってきた印象は本当にやっぱ山形ってすごくいいな、ご飯も美味しいし、空気もキレイだし、ゆっくりした時間が流れるし。温泉とか好きなのですごくいいなって部分もあったんですけど、そのプロダクションを立ち上げるっていう部分のところでいくと、ミッチーチェンっていうタレントがいて、まず彼との出会いっていうところが一つのポイントなんですよね。

ウジイ:どういう接点で知り合ったんですか

トミヅカ:当時、もう8年ぐらい前にはなるんですけど、「アガスケのすすめ」という楽曲をリリースするタイミングだったんですよ。それの2曲目にYBCのラジオでやってた「4時バケ」というラジオ番組があったんですけど、それを2曲目に入れるっていう流れになって、ミッチーさんの相方が僕の中学校のときからの親友なんです。「せっかく山形帰ってきてフラフラしてるんだったら、ちょっと収録現場のぞきに来たら?」みたいな感じで誘ってもらってその現場に行ったときに、収録を済ませた後に、元々エイベックスだったんだよねっていう話をしてて。

その時ミッチーさんってCD作って、それを販売していたんですよね。せっかく出すならもったいないな思って。サブスクに入れましょうとかSpotifyやApple Musicに入れましょうiTunesで配信しましょうとか、せっかく出すなら著作権をエイベックスに見てもらって、運用しましょうとかっていうのを、もう本当雑談ベースで話していたんですよ。そんなことできるのならちょっとやってみてよっていうところからスタートして、いろいろと配信とかし始めたら、「なんかせっかくだったらさマネージャーやんない?」みたいな話になったんですけど、当時エイベックスの中でもマネージャーって一番やりたくない仕事だったんですよ。やっぱり土日祝日何もなくなるし、平日もいろいろな事務作業だったりあるしで。でも誰かをサポートするのは嫌いじゃなかったんですよね。せっかくミッチーさんとのご縁もあったんでやってみようかなって思って、やり始めたんですね。

そこでやらせてもらってたら、やっぱりそのとき思ったのはやっぱり東京の金額と山形の金額って大きくかけ離れてて。

今まではミッチーさん1人でやってたので、代理店さんとかクライアントさんから提示された金額をそのまま受けなきゃいけないってどうなのって。タレントさんが直に交渉するって……ってもったいないなと思って。東京に近づけるわけじゃないですけれども、まず何をやらなきゃいけないかっていうと、その「ミッチーチェン」っていうタレントの価値を上げるってことをしなきゃいけないなと思いました。その上でいろんなところに交渉に入るっていうのを毎回やっていったら、これはちゃんと普通に仕事としてやった方がいいなと思って、わりと早々に事務所を立ち上げさせていただきました。

ウジイ:マネージャーの仕事も含めて芸能事務所っていうのはこういう仕事をやってるんですよっていうのを簡単に教えてください

トミヅカ:芸能プロダクションっていうのは簡潔に言うと、タレントさんがやりたいことを叶える仕事です。その他タレントさんが売れるための教育もしますけど。やっぱりタレントさんがやりたいことって1人じゃできないことが多いので、そこに僕らがサポートしてやっていくことが仕事です。

一緒に寄り添って話を聞いてあげたりだとか、相談したりとか。タレントさんってやっぱり前に出る仕事だったりするので、モデルも俳優もそうなんですけど、自分が正しいかどうかっていう、他の人からどう見えてるっていう視点では見れなくなってきちゃうんですよね。一番自分が身近にいるので、そういうところをきちんと言ってあげる。あとは、どういう見られ方をするべきなのかっていうのを今までの経験の中から本人にダイレクトに伝えたりするのも大切な仕事だと思っています。

ウジイ:では次にHighcloudさんに所属しているタレントさんを何人か紹介してもらっていいでしょうか?

トミヅカ:基本的には山形出身だったりとか、山形に住んでたりだとか、ちょっと山形に縁がある人たちしかうちの事務所にはいないんです。

女子プロレスラーの井上京子とか、あとは松波優輝という俳優で東京在住ですがこちらに在籍しています、他には堀みづきという女性タレント。インスタのフォロワーが10万人いる酒田出身の女の子がいます。山形でもおなじみなんですけどもフリーアナウンサーの松浦彩というアナウンサーがいたりとか、若手の女の子で渡邉歩咲という21歳山形在住の女の子がいます。元々NGT48(新潟の48グループ)にも以前在籍していた子です。彼女は山形在住で、結構人気もあって見た目も良い女の子です。今うちの事務所のタレントたち全員を売っていかないきゃいけないんすけど、渡邉さんはまだまだ若手なので、何か火をつけてあげたいなっていうところもあったりしますね。あと、タイ在中のユーチューバーもいるんです。元モンテディオ山形の坂井選手の奥さんの坂井夏美という福岡出身の女性なんですけども、モンテディオ山形在住ときにタレント活動したいんですっていうことを話されて。めちゃめちゃ上手な本当に太陽のように明るい女性です。一応今タイに住んでいて、ウェディング事業を立ち上げつつユーチューバーとしてもやってたりしますね。

ウジイ:Highcloudの名前に込めた思いとか、今後こういう事業を展開していきたいとかそういうところを教えてください。

トミヅカ 僕は名称をつけるのがすごい苦手だったりするので、何がいいかなと思ったときに今皆さんクラウドに上げるっていうじゃないですか。僕もいろんなデータをクラウドに上げて保存したりするんすけど、いろんなものをクラウドに上げている状況でもっと「ハイなもの」っていう造語です。上昇気流みたいなものをハイクラウドって言うんですよ。なので本当にもうちょっと上に、自分たちのタレントさんも山形だけじゃなく、全国に行けるようにっていうので、ハイっていうのをクラウドにつけた名前です。

今後うちのタレントさんがいろんなところに露出できて、皆さんに知っていただいて、ていうところはまず第1の目標、計画としてあるんですけれど、元々僕音楽好きなので……山形にはフェスがないんですよ。秋田とか、宮城とか、福島、岩手、青森ではあるんですけど、東北では山形だけ唯一フェスがなくて、あるとしたら芋煮会フェスティバルくらいで。それはそれで僕も商工会議所でお世話になってたりするんですけど、何か音楽フェスティバルみたいなものがちょっとでもできたらなっていうのはずっと思ってますね。

ウジイ:音楽フェスティバルっていうと、地元等の人以外にやっぱり例えば東京から呼んだりですか?

トミヅカ:基本的にはもう東京から呼んでちゃんとやりたいですね。フジロックとまではいわないですけど、ちゃんとしたアーティストをチケット買って見てもらうような。コンサートに行くような感じじゃないと思うんですよね。フェスの醍醐味って1日でいろんなアーティストが見れるっていうところだと思うんです。そういったことをやっぱり山形の人たちは体験できてないのが現状かなと。やっぱり本物を見ないと本物になれない。そのための機会作りっていうのは山形のエンターテイメント教育の手助けにもなってくるのかなと思ってます。

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