【ユタカの部屋 第53回 奥山大地(おくやま だいち)氏】
【インタビュー】「山形のお米は、日本一のごちそう。」
ミシュランからニュージーランドまで――世界を見た料理人が、最後に選んだ”一杯のご飯”
お店へ入った瞬間、
どこかホッとする空気が流れています。
厨房から聞こえる優しい声。
奥様の手書きメニュー。
湯のみや器のかわいらしさ。
そして、
「いらっしゃいませ。」
そう笑顔で迎えてくれる店主・奥山大地さん。
世界を渡り歩いた料理人とは思えないほど柔らかな笑顔です。
しかし、その笑顔の裏には、
東京のミシュラン星付き店、山梨の名店、沖縄、そしてニュージーランドまで渡り歩いた長い修業の日々がありました。
そんな奥山さんが最後にたどり着いた答え。
それは、
「山形のお米を、一番おいしく食べてもらいたい。」
という、とてもシンプルな想いでした。
「料理人になろう」と思ったのは高校生でした
──まずは料理人を目指したきっかけから教えてください。
「高校で進路を考えた時ですね。
将来は自分のお店を持ちたいって思っていました。
子どもの頃から料理が好きで、母と一緒に料理を作ることも多かったんです。」
──お母様も料理のお仕事を?
「調理師免許を持っていて、給食関係の仕事をしていました。」
──思い出の料理はありますか?
「唐揚げですね。
あとはポテトサラダとかカレーとか。
特別な料理じゃないんですけど、やっぱり手作りっておいしいなって思います。」
ミシュランのお店で学んだ「料理人の姿勢」
──その後は東京の専門学校へ進まれたんですね。
「町田調理師専門学校です。
日本料理コースで学びました。」
──卒業後は東京へ。
「最初に入ったのが赤坂の日本料理店でした。
当時ミシュランの星を獲得していたお店です。」
──その経験は大きかったですか?
「大きかったですね。
料理だけじゃなく、仕事に対する姿勢を学びました。」
山梨、沖縄、そしてニュージーランドへ
──その後もいろいろなお店で経験を積まれていますね。
「寿司屋、日本料理店、沖縄のホテル…。
それから海外にも行きました。」
──ニュージーランドですよね。紹介ではなく、自分で?
「そうです。
仕事を決めないまま行って、現地で探しました。」
──かなり勇気がいりますね。
「海外の人の感性とか、食材の使い方を学びたかったんです。」
世界を見て、山形のお米の価値に気付いた
──いろいろな国や地域を経験して、最後は山形に戻ってきます。
「山形で店をやるのは最初から決めていました。」
──決め手は何だったのでしょう。
「山形が他の県に負けないものって何だろうって考えた時、お米だと思ったんです。」
──なるほど。
「旅館で食べるご飯より、家で普通に食べていた山形のお米の方がおいしいと感じることもあって。
こんなにおいしいお米があるのに、それを主役にしたお店が少ないのはもったいないと思いました。」
「だから、釜戸で炊こう。」
──それで定食屋を。
「はい。釜戸で炊いたご飯を食べてもらいたかったんです。」
──料理もすべて手作りですね。
「一つひとつ真心を込めて手作りすること。
そして素材の良さを引き出すことを心がけています。」
実は女性のお客様がとても多い理由
──店内がすごく優しい雰囲気ですよね。
「ありがとうございます。」
──手書きのメニューやイラストも素敵です。
「妻が描いています。」
──あれは奥様だったんですね。
「そうなんです(笑)。
二人で相談しながら、お店づくりをしています。」
ランチだけど、昼飲みも歓迎です
──カウンターを見ると、ウイスキーがたくさん並んでいます。
「自分がお酒が好きなんです(笑)。」
──夜営業ではなくランチだけなのに。
「休日に昼からゆっくり飲んでもらえたらいいなと思って。
定食のおかずを単品でも注文できるので、おつまみとしても楽しめます。」
──”昼飲み”ですね。
「そうですね(笑)。」
これから目指すお店
──最後に、どんなお店にしていきたいですか。
「農家さんともっとつながっていきたいですね。
お米だけじゃなく、野菜も。
作る人の想いまで届けられる食堂にしていきたいです。」
編集後記
取材中、一番印象に残ったのは奥山さんの笑顔でした。
ミシュランのお店で修業し、海外でも経験を積んだ料理人。
その経歴だけを聞けば、もっと職人気質な方を想像するかもしれません。
でも実際にお会いすると、その印象はいい意味で裏切られます。
柔らかな笑顔。
穏やかな話し方。
そして隣で自然に支える奥様。
ご夫婦の空気感そのものが、「オクヤマ食堂」の居心地の良さをつくっているように感じました。
おいしいご飯を食べたい日も。
休日の昼にゆっくり一杯楽しみたい日も。
そんな時はぜひ、「オクヤマ食堂」を訪ねてみてください。
オクヤマ食堂
090-8610-0980
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水・木・金・土・日
11:00 – 15:00 -
月・火
定休日


