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ウジイユタカ

【ユタカの部屋 vol.40 パフォーマーたつみ氏】

ウジイ(以下:ウ)大道芸人さんというくくりでいいですか。

パフォーマーたつみ(以下:タ)はい、 大道芸人というジャンルです。「ストリートパフォーマーたつみ」という名前でこの道に入りました。

今はカタカナ「パフォーマー」ひらがなで「たつみ」で「パフォーマーたつみ」という名前で大道芸をしております。

ウ:そもそも大道芸っていうのはどういうものをいうのか教えてください。

タ:大道芸というのは別名ストリートパフォーマンスというんですけど、主に路上や街頭でダンス、ジャグリング、アクロバット、マジック…そういう様々な芸を披露することです。僕の中では一番間近で見ることができるエンターテイメントだと思っています。

ウ:路上パフォーマンスから始まったということでいいですか。

タ:そうですね。ボクの場合最初から山形で大道芸をしたいっていうことではなかったんですけど、マジックがすごい好きでやってたんです。大道芸だけで日本一周をしている人がいて、その人に出会って、ものすごく感動して大道芸を始めました。

ウ:大道芸を始めたきっかけについて教えて下さい。

タ:高校を卒業する頃にマジックにちょっと興味を持って、3年間ぐらい独学でやってたんですけど、自分で練習してちょっと友達や親とか、そういう周りの人に見せるっていう程度だったんです。そして3年たったときに、先ほど言った大道芸だけで日本一周をしている人に山形で会うことができまして、パフォーマンスの凄さに感動しました。ボクはそのとき、仕事でうつに近い状態だったもので、あまり笑うことができなかったんです。そんな中でもその方のパフォーマンスを見たときに、自然と笑顔になってる自分に気付けました。周りの人も、拍手だったり、歓声だったり、盛り上がりがすごかったんですよ。やっぱり大道芸ってすごいなと。今までと違う世界を肌で感じることができました。それまでマジックしかしてなかったんですけど、大道芸人に憧れて、そこから僕はジャグリングとかも始めました。

ウ:そこから始めて、プロとして活躍するまでにどういう勉強をしたのかとか、誰かから教えてもらったのかとか、そのあたりをきかせてもらっていいですか。

タ:山形でこういう大道芸をしてる人ってやっぱりいないもので、教わるっていうことはまずできなくて。

今だとYouTubeとか、SNSとかでいろんな技の解説とか練習方法とかあるので恵まれているんですけど、僕がやり始めた十数年前はYouTubeでも限られたものしかなかったので、ダンスのDVDとかジャグリングのDVDを買って延々と見て、大きめの姿見を買って、その前で黙々と練習するということをずっとやってました。

最初は友達の住んでいる地区のお祭りに「マジックやジャグリングしてるやつがいるよ。」ということで出させていただきました。そこで見てくれた人が「今度はここで何かあるからやってくれないか」というのが2ヶ月に1回とか、最初はちょっとずつなんですけど、そういうのを繰り返してることで、技術が少しずつ上がっていった感じです。そしてまたそれを見た人たちに呼んでいただける機会が少しずつ増えていってようやく今のようにいろんなイベントに出れるようになったっていう感じです。

ウ:では次に、今パフォーマンスとしてどんなことをやっているのかということを教えてください。

タ:ボクがやってるパフォーマンスは水晶玉を扱ったコンタクトジャグリングをメインにしてるんですけども、その他にもアニメーションダンス。ムーンウォークやロボットダンスなどのアニメーションダンスですね。あと、中国ゴマを使ったディアボロというジャグリング、あと得意としてるのが数多くのボールを空に投げたりするボールジャグリングなどを主にやっております。あとマジックもショーの間に入れつつできるだけ皆様に飽きのないように、笑顔になってもらえるようにいろんなパフォーマンスを取り入れるようにしています。

ウ:パフォーマンスはどのぐらいの長さで行っているのかということと、どういったところからの依頼があるのかということについて教えてください。

タ:僕のパフォーマンスは基本1回30分で行っております。マジック、ダンス、ジャグリングといろいろ取り混ぜて30分のショーをしています。お客様に飽きのないように、楽しんでいただけるショーを心がけてやっております。依頼主さんのご要望があれば20分だったり40分だったり、短くしたり長くしたりは

できますのでぜひご依頼の方よろしくお願いします。

ウ:どういった団体とかどういったルートで、仕事が入ったりするんですか。

タ:市や県からのイベントなどで依頼を受けることもありますし、モンテディオ山形さんだったり企業様のパーティーだったり、そういうところで呼んでいただくことも多いです。あとは、結構寄付とかしているものでその関係で小学校や保育園などの児童に向けてパフォーマンスすることもあります。

ウ:日常どのような練習をされていますか。

タ:結婚して子供が生まれてからはなかなか練習時間が取れないので、子供たちを寝かしつけしてから夜中に起きてやったり、休日はお昼寝させてから妻に子供を見てもらって、その間の1〜2時間ちょっと練習するとか、工夫しながら今は練習をしております。昔やり始めた頃はもう毎日、3時間4時間夜遅くなってからでも、もう毎日のように練習してました。

やっぱりジャグリングとかダンスとか、一朝一夕ではできないもので、毎日の積み重ねで少しずつできていくっていうものがあるので、やはり最初体で覚えるまでが大変でした。3個のボールジャグリングで一番最初に覚えるカスケードという技がありますが、それを100回できるまで3日かかるってよく言われるんですよ。

ボク不器用だったもので1週間普通にかかっちゃったんですけど、時間がかかってもっぱり続ければできるっていうことが自分の中でわかって、ボールバスケットボール選手がよく、ボールを指の上で回すような

やつも、回すためだけに二、三ヶ月ぐらいは練習に費やしました。でもそれが今僕の中ではそれが結構得意なものの一つになっています。

ウ:爪もそのために削ってるんですか。

タ:そうです。ちょっとだけ尖らせてやってるんですけど、こうすることによって、ボールの摩擦が低くなって長い間回せるようになるので、やっぱりこういうちょっとしたことの積み重ねで、技術は上がってくるものなんです。

ウ:パフォーマンスを練習する場所って、天井低いとできない気がするんですが。

タ:そうですね。四つまでのジャグリングでしたら、普通に部屋の中で練習してるんですけど、五つ以上になると、やはり天井が低いとできないので、外で練習することになりますね。暑かったり寒かったりしても、やっぱり練習しなきゃっていうことで、子供を保育園に迎えに行くまでの1時間だけでも外で練習したりしています。

ウ:体が硬いとやりづらいとかありますか。

タ:やっぱり体が柔らかいと可動域が広がるもので、できなかった技もできるようになったり、技も大きく見えたりということで、やっぱり体の柔らかさは結構大事かなと。表現する人としては体の柔らかさは大事なので毎日柔軟運動をするようにしてます。

ウ:練習の前にストレッチをやってから練習とかそんな感じなんですか。それとまた別ですか。

タ:ボクの場合はもう朝起きて柔軟するのは毎日の日課としてやるようにしています。練習時間が取れないときでも柔軟はするようにはしています。やはり体の柔らかさっていうのも毎日がすることが大事で、1週間柔軟運動をしないと本当一気に体が硬くなっちゃうんですよね。パフォーマンスをする立場としてはいつでも怪我をしないようにするのも大事なので、体の柔軟性は一番大事にしています。

ウ:大道芸って県内にどのぐらい同じことをやられてる方がいますか?また、これからプロでやっていきたいなって始めてる人とかも含めて教えて下さい。

タ:山形県内で僕と同じように大道芸をしている人は他にいないんですけど、2〜3年前ぐらいからマジックであったり、声まねする人だったり、パントマイムする人も山形にちょっとずつ現れ始めました。その中でも、数年前当時小学6年生だった男の子から連絡を受けて、大道芸にちょっと興味があってやってみたいと。その子をイベントに呼んだりして、実際のパフォーマンスの他にも練習方法とか人を集めるにはこういう喋り方をするんだよとかをちょっとずつ教えてます。今その子は中学2年生なんですけど、マルシェ関係を中心に大道芸パフォーマーとして少しずつ経験値を積んでいるところです。

ウ:大道芸としてこういう瞬間が一番やりがいを感じるなとか、嬉しい瞬間だなっていうのを教えてください。

タ:自分の練習してるものが人前で披露できてることだけでも嬉しいことなんですけども、披露したことによって笑顔になってくれる人がいる、歓声を上げたり手拍子をしてみんな楽しんでくれてるっていうのを見たときは本当にやりがいを感じてます。ここ最近なんですけど、ボクのパフォーマンスを見て最後泣いちゃう子供がいまして。結構毎回なんですよ。感動しているのか終わっちゃって悲しいのか、親御さんがそういうふうに言ってくださるんですけどね。本人がどんなふうに心が揺れ動いたのかわかんないけど、ボクのパフォーマンスを見てそういうふうに涙を流してくれる、心が動いてくれたっていうだけでも本当に嬉しいことだし、これからも大道芸を続けていきたいなっていう勇気とやる気になってます。

ウ:新しい技、難しい技ができるようになったときのうれしさってありますか。

タ:目標を達成してる瞬間ですからね、やっぱり難しくて自分のやりたかった技を何回も練習して、失敗して、失敗して、失敗して、それで続けて、ようやくできるなった技っていうのはやっぱ自分の中の特別です。でもそれを人前でできるようになるには、やっぱり1回成功しただけじゃ駄目なんですよ。人前でも確実に成功できるぐらいの自信がないとできないんで。できた喜びはあるんですが今度は確実にできるようになって、それを人前で披露できる完成度に高めなければならないなって思ってます。

ウ:パフォーマンスの一番の基本でボールを三つ投げて、回すというのがあると思うんですけど、それの練習方法を教えてもらっていいですか。ボクもやりたいので(笑)

タ:カスケードっていうようなボールを八の字に投げるやつなんですよね。よく勘違いしやすいのが、2個ならできるんだよねとか、お手玉のように投げてる方もいるんですけどそれとは全く違うんで(笑)

まず最初はボールを1個だけ使います。そのボールを右手で投げて、頭の上を通るぐらい山なりに投げて、左手でキャッチする。その次に左手で同じように投げて頭の上を通して右手でキャッチする、これを最初何回も繰り返して練習してください。こういう感じでね。3つ一気にしても、最初は絶対できないので必ず1個からの練習です。1個投げれるようになって、できるようになったら2個になります。このときは、両手で1個ずつ持ちます。右手で投げたボールが頭の上を通ったあたりのときに、今度左手に持ったボールを同じように投げるんです。それをそれぞれの手でキャッチするんです。10回20回、同じようにできるように練習します。今度三つはその同じ動きです。右手に2個、左手に1個持ちます。右手で持ったボールを1個投げて左手のやつを投げて、また右手のヤツを投げる。同じようにポン、ポン、ポンと投げるんですけど…それを本当に最初は1個。慣れてから2個。2個ができるようになって3個、一つずつ段階を踏むことによってボールジャグリング三つができるようになります。

ウ:ありがとうございます。練習してみます。

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