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ウジイユタカ

ユタカの部屋 VOL86. 矢萩翔一氏

ではまず自己紹介と会社の紹介をしてください。

名前は矢萩翔一です。生年月日は昭和58年4月12日生まれで、38歳です。

株式会社矢萩土建の取締役営業部長という役職をさせていただいております。

当社は総合建設業ということで建設業全般をさせていただいております。その中でも多いのが公共工事で、行政の仕事のメインに行っています。

また建築部門として、一般住宅の建築も行っております。無垢の材料を使って木の温もりを感じてもらえるような家作りをさせていただいております。グループ会社としてドゥーケンという会社がありまして、主に土質調査や地盤調査などを主に行っております。35名の社員でがんばっています。

このたび素晴らしい施設がオープンしたんですが、この施設の名前と特徴を教えてください。

施設の名前は245スケートパークといいます。室内っていうのが一番の特徴で、今県内で数カ所屋内でスケートボードができる施設はあるんですけど、その中でも特に競技だったり、ハイレベルなスケーターから基礎的なことを練習しているスケーターまでみなさんが滑れるスケートパークになっています。

245っていうのは何かというと「にしごう」の略です。村山市西郷地区の中にあるスケートボードパークっていうことです。これは自分がつけたんじゃなくて、以前からずっと手づくりのスケートパークを仲間と一緒にやっていたときから、いつの間にか皆さんからそういう名称で読んでもらえるようになって、それがこの新しい施設の名前にもなりました。

設計する上ですごく大事なのが、滑れる人じゃないとわからない距離感であったり高さだったり角度だったりっていうのがあるんです。前身である自分たちがDIYでやっていたスケートパークで何回も失敗したり、こうした方がいいねっていうものを、20年ぐらい積み重ねてきたものがあってやらせていただいてるんですけど、その経験から、滑れなかったらわからないっていうところが本当にたくさんあります。助走の距離を取れるのはどれくらいの長さなのか、角度とか幅とかはどれが適正なのかというところなんかも実際は答えはないんですよ。好みの問題で。あとはスキルとかかな。それをどうやってこれがいいんだって言い切れるかっていう部分がすごく大事なんです。

ここのスケートパークの仕様としては小中大いう形でレーンを分けております。

高さでいうとまず0で、次60センチ高くなって、次また60センチ高くなって1メーター20センチみたいな感じで、それをステップアップできるような練習をこの施設ではできるようにっていう考えで設計したんです。

普通の設計屋さんだったり、スケボーやったことない人が形だけわかってるのでも一応設計できるんですけど、やっぱり形で終わって何もできないっていうのが、よくいろんな他の公共スケートパークであるんです。

いいんだけど、使えない。どうしたらいいんだこのパークっていうのがあったりするんで、そこはやっぱ誰もわかってないなぁって感じですね。強みとしては自分でスケートボードができて、図面が書けるってことです。施工するときに見えないポイントだっていうのがたくさんあって、1ミリ2ミリ違うと変わってしまうケースもあるんです。板からのパイプの出方がどのぐらい違うんだというところも、好き嫌いはあるけどこれが標準っていうのがやっぱり施工してしても、調整がすごく難しかったところです。

あともう1つは、コンクリートの平らな部分にすごくこだわってます。スケートボードって、タイヤって固いウレタンなんですよ。そのウレタンが新品だったらすごく滑らかに走るのが気持ちいいんですよ。平らなっていうのはまずは当たり前なんですけど、次に問題になるのが硬度なんです。スケートボードってジャンプするんですけどそのジャンプは板を弾く反動で上がるんです。その反動のレスポンスが、硬いコンクリートの方が早いんです。それを仕事でやってますけどその中でもいろんな相談して、目指したのは立体駐車場の路面です。車のタイヤがキーキー鳴るやつ。ああいうのが最高調子良いんです。そういう路面を目指して平らに仕上げました。皆さん滑った後「路面がすごくいいね」って言ってくれます。

そういったこだわりっていうか、それを売りにして今からやっていこうと思っています。

営業時間と利用料金を教えてください。

営業時間は平日がお昼の12時から夜の8時までです。日曜日だけは12時から夕方の6時までとなっております。

曜日で定休というのはなくて、変則的ですが週2回お休みをいただいています。インスタグラムがありますのでそちらをチェックして下さい。

料金は、一日というか、一回千円で利用していただけます。

いつ着工したかとか、オープンがいつとか、そのあたりも教えて下さい

2021年の10月から着手しました。元々ここに既存の建物があって、会社の倉庫として利用していたものです。その倉庫も農協さんからうちで買ったもので、だいぶ老朽化が進んでました。その2階をスケートパークとして使っておりました。老朽化していたので、それを壊してどうするかっていうところで、事業としてスケートパークを作るのはどうかっていう私の提案を会社の方で承認いただき10月に着工しました。解体を10月に行って、基礎コンクリートを打って、11月頭にこのテント倉庫を1週間程度で立てました。その後11月いっぱいかけて、スケートボードに必要なセクションの配置だったり製作を行いました。12月11日と12日にプレオープンしてその後ちょっとした不具合などがないか見たかったというのもありまして、調整した上で2022年の1月7日にオープンする運びです。

この施設を利用するには予約が必要ですか。

この施設を利用するには、事前に登録するサイトがあって、そちらで利用規約をご確認いただいた上で、必要な情報を入力していただき登録番号を取得していただいた上で利用していただくという形になっています。

(サイトのQRコードは文末に載ってます。ぜひ登録を。)

スケートボードとの出会いとその魅力について語って下さい。

まずスケートボードとの出会いは私が中学校1年生のときなので、もう25~6年前です。そのときよく遊んでもらった先輩方がスケートボードをやっていて、一緒にやるかって話になって同級生と一緒に始めたのがきっかけです。友達と会って遊ぶ感じの延長で、釣りが楽しかった時期があって、それがスケートボードになっていった感じです。友達と遊ぶイコールスケートボードというのでずっと中学校から高校まで友達と一緒にやってましたね。小学校でやったり地区内の駐車場だったり、そういうところでやっていたら怒られまして。今だから思うんですけど、やっぱり自分の子どもが通っている学校のPTAで親父たちは多分相当言われたんでしょうね。父が見かねて、会社の前でやりなさいっていう話をして渋々みんなでやるようになって。中学校1年生のときに先輩も一緒に会社でやったんですけど、普通だったら若い連中はそういうところに定着しないんですけど、スケートボードセクションっていうかジャンプ台を父が作ってくれて、だからみんなそこにいたんだなって今思います。そんな感じでずっとやってたんですけど、次にたまたまミニランプっていう、ハーフパイプの小さいのをこの施設の前にあった建物の下屋の部分に、また父が作ってくれたんですよ。

みんなまだそういうのはやったことなくて、またそこに来るようになったりして。それで楽しくなって、たまたま上の階に上がってみたらがらんと空いてたんです。

そこで自分でセクションを作ってみようかってなったところから、みんないろんな材料を自分で切って、見よう見まねでスケートパークのようなものを徐々に作っていったんです。この間新たに施設を作る前まで自分たちでDIYして、やりたいのは自分で作るっていうものをずっと続けてきたから、セクションは自然にアップデートされていってクオリティ高いものが最終的にはできてたんですね。それの集大成が今できているこのスケートパークだと思います。たまたま建設業で仕事してたんで、図面書いたり、いろんな職人さんにお願いしたりすることが現場監督として身についた力なんで、それを使ってスケートボードとうまく掛け算できてこういう形になった感じです。

スケートボードの何が面白いかっていうと、人と繋がっていくっていうことを感じるんです。人と繋がって楽しさを共有して、一段ずつハードルを上げたり、クリアしたら讃え合ったり共有したりという、すごくいいスポーツだと思います。オリンピックでもよく見かけた光景で、選手なら敵同士なのにタッチしたり、担ぎ上げたりするんだけど、もうそこがモロに自分たちも体感していて、いくら大会であったりしても他人がすごい技を決めたら、やっぱり「すごいね!イエーイ!」ってタッチしたりっていうのが元々あって、それがスケートボードの魅力かなって思っています。青年会議所等々で人との繋がり方だったり大切な事を教えていただいたんですけど、やっぱり元々はそういうところで気づいていたっていうか、自分の人生の中で1本の線というのがスケートボードで、実は昔からその中で教えてもらっていたんだなって感じます。今も続けているのもそれが大きな理由です。

この245スケートパークがすごいねって言われることがあったんですけど、それはなぜかというと、まあ自分たちで好きなものを作ってるだけなんですけど、それが他でできてなかったからだと思います。たまたま自分は土地というか場所を提供してもらえる立場で、親が暗黙「好きに作っていいよ」って言ってくれる環境だったんです。でも他の人だったら、そんな環境でもやらなかったんじゃないかなと。昔から、自分がやりたいものは自分たちでどんどん作っていこうっていうのが、ある意味仕事の前身じゃなかったかなと。仕事って、建設業の現場監督で大事なことは、人にお願いしていろんなことをやってもらったり、目的とするものを人と協力して作るってことだと思います。振り返るとそれをいつの間にか仲間の中でやってたということです。そしてそれをつないでいたのがスケートボードだったと思っています。

当時の友達の多くは、今は子どもがいたりっていう事情があってスケートボードはできなくなったんですけど、みんな独立して電気屋さんやったり、塗装屋さんやったり、とび職やったりしているんです。そんな仲間に仕事としてお願いして、このパークを作るのに繋がれたっていうのも、やっぱりそういう元々の繋がりがあって社会に出る前から一緒にやっていましたからできたことだと思います。同じ目的に対して協力してやっていこうっていう意思統一みたいなものはスケートボードがつないでくれていたんだなと気づかされました。今もスケートボードを続けてる意味ってのも、ただ上手くなりたいだけじゃなくて、そのスケートボードで繋がる友人関係であったり、今では仕事であったりというところが大きいと思います。続けてきて良かったって思っています。今ではライフスタイルになってるんで。

他にもわかりやすい魅力としては、よく人生の中でハードルを決めて、ハードルを徐々に上げていかなきゃ駄目だよねって言われると思うんですけど、まさにスケートボードはそれの連続です。基本技のオーリーっていうのがあるんですけど、そのオーリーでも本当に段階がたくさんあって、その1つ1つを超えた時の達成感が魅力です。そして次の段階に行くか行かないかっていうのは、本人次第かもしれないですけど、自分は仲間だと思うんですよ。周りにいる人が、「次あれやってみようぜ」とか言ってくれて。その仲間がもっと上のレベルにいってたらそれについてこう思う気持ちがあって、みんなでそれを共有して、今日はよかったねって言って、また次の日を迎えられる。スポーツだけど遊びですね。

本当はそれがスケートボードの一番いいところで、楽しいなと思えるところです。それが人生の軸になってるんで、子供にもそれを伝えたいなと思っています。

スケートボードやれとは言わないですけど、すごく楽しいんだって姿を見せながら友達と一緒に滑っていて、それが今子供にも伝わり始めてます。やっぱりただやればいいんじゃなくて、子どもが友達と遊ぶ中でも、自分が思ってるスケートボードに子供たちも徐々に興味を持って楽しんでやってきてるっていうのが実感できるのが親としてうれしいです。一緒にやるスケートボーダーとしても楽しいなと思ってるところです。

その「場所を提供する」っていう部分でいくと、自分の親がやってくれたことのもっとでかいバージョンで、自分が子供に対してやってあげて、それがまた違う方向で繋がっていって、もっと良くなれば、スケボーだけじゃなくて、この地域が良くなることにも全部繋がるなと思ってます。

これからスケートボードを始めたいと思った人が、そろえなければならない道具を教えて下さい。

まずはスケートボード。

ものは多分何でもいいんだと思います。直感的にこれ欲しいと思ったもので。やっぱピンからキリまであって、そんなに高いものじゃなくていいと思いますよ。そのスケートボードを揃えていただいて、あとはヘルメットがやっぱり必要ですね。私達始めた当時は何もなかったんですけど、今はやっぱり頭を守った方がいいと思います。あとプロテクターっていうのが膝だったり肘だったりお尻だったりいろんなところのものがあるんで、それは皆さんご自分の守りたい部分につけていただければと思います。

後はシューズなんですけど、スケートボード専用のものもあるんですけど、それはある程度慣れたら必要になるんですね。一番いいのは履きやすいもので、自分が足裏を感じられるシューズを履いてくれればいいと思います。

今後の展望というか、夢というか、それを最後に教えてください。

まずは私の仕事の夢としてあるのはスケートボードの施設を公共工事で、自分の担当として受注したいんです。スケートパークを公共工事で受注して、施工して、そこで終わったときに滑りたい。それが仕事としての夢です。それができるのもやっぱり今スケートボードがオリンピックで盛り上がって、いろんなところでそういう話もあるので、自分が好きなことを仕事として成果を挙げたもので、自分もそこで楽しみたいっていう夢ですね。

個人的な自分の夢としては、自分の子供が自分と同じようにスケートボードを続けてもらって、その軸の上で人生のいろんなところにで生かしていけるような子供たちになってほしいなっていうのが夢です。背中を見せたいんじゃなくて肩組んでいろんなことをやっていって、その共通点としてあるのがスケートボードだったらいいなと思っています。

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